対称Clifford系とは,所定の関係式を満たす有限個の実対称行列の集合であり,Clifford代数の表現と1対1に対応することが知られている. 他にも対称Clifford系はOT-FKM型等径超曲面の構成に用いられることや,2n次元Euclid空間内のn次元部分空間全体のなす実Grassmann多様体内の全測地的球面と対応することも知られており,幾何学的にも重要な対象である. 本講演では,対称Clifford系に付随する部分空間配置を定義し,この部分空間配置が或る (有向)実Grassmann多様体のカンドル構造に対して素性のよい部分カンドルを生成すること,極大s-可換部分集合とも関係があることを説明する.
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