第14回 相原 研輔

相原 研輔 氏

abstract

大規模連立一次方程式に対して,クリロフ部分空間法(線形部分空間を広げながら解を探索する反復法群)は有効な数値解法である.その一種である積型Bi-CG法は,近似解などを短い漸化式によって更新することから,反復毎の計算量やメモリ使用量が少なく済む効率的な方法である.しかし,計算機上に実装した際に生じる丸め誤差の影響によって,理論通りに収束しないことも多い. 本講演では,積型Bi-CG法の導出について概説した上で,丸め誤差が収束性に与える影響を考察する.また,収束性を改善するためのひとつの手法として,最近講演者らが提案した残差スムージングの改良についても紹介したい.

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