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  • 講演者 : 伊山 修 氏 (東京大学)
    • 題目 : 団代数と傾理論
    • 日時 : 2022年 7月 6日 (Wed) 16:30 〜 17:30
    • 場所 : 数学科セミナー室(4号館3階)および zoom 中継(詳細は後日掲載)

abstract

今世紀初頭に導入された団代数 (cluster algebra) は、帰納的に定義される団変数と呼ばれるローラン多項式で生成される可換環であり、与えられた箙(quiver) から新しい箙を構成する変異(mutation)と呼ばれる組み合わせ論的操作を用いて定められる。一方、環の加群圏の同値を扱う森田理論の拡張である傾理論(tilting theory)は、環の導来圏の同値を扱うものであり、箙の表現に対する鏡映関手の理論的基礎付けを与えるものである。傾理論では準傾対象(silting object)と呼ばれる対象が重要であり、与えられた準傾対象から新しい準傾対象を構成する変異(mutation)と呼ばれる圏論的操作が存在する。団代数の圏化(categorification)は、傾理論を用いて団代数を調べるものであり、異なる文脈に現れた変異の間の直接的な関係を説明する。本講演では以上の事柄を例を挙げつつ説明する。

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  • seminar/2022/04.1656427222.txt.gz
  • 最終更新: 2022/06/28 23:40
  • by h_aoki