足立 真訓 氏

abstract

レビ平坦多様体とは,複素多様体による実余次元1 葉層構造を備える多 様体のことである.レビ平坦多様体上の関数論は,葉方向に着目すれば, 複素多様体上と似た振る舞いが期待できる.一方,葉の横断方向に着目す れば,葉層構造の力学系的性質が強く反映するとも期待される.この両義 性を示す現象に,レビ平坦多様体の小平型埋め込み写像の可微分性の問題 がある.いわゆる小平の埋め込み定理は,レビ平坦多様体に対して一般化 される(大沢・Sibony,2000)が,その埋め込み写像は一般には,横断方 向に無限階可微分にはならない(足立,2014). この講演では,レビ平坦多様体の具体例として,種数2 以上の閉リーマ ン面上の単位接束を取り上げ,その葉向多重標準束による小平型埋め込み 写像の可微分性を論じる.

24 images

[<6>]

  • seminar/2018/018.txt
  • 最終更新: 2021/02/11 11:09
  • by 127.0.0.1