第17回
- 講演者 : Ade Irma Suriajaya 氏 (理化学研究所)
- 題目 : リーマンゼータ関数とその導関数の零点の分布及びそれらの関係
- 日時 : 平成29年11月29日(水)16:30 – 17:30
リーマンゼータ関数 \(\zeta(s)\) の零点は自明な零点と非自明な零点に分類され, 自明な零点の正確な位置は知られている一方,非自明な零点の位置はまだ正確にわかっていない. 非自明な零点が全て臨界領域 \(0<\Re(s)<1\) に存在し,臨界線 \(\Re(s)=1/2\) に対して対称的であることは知られているが, 実際は全て臨界線上に存在すると予想されている. この予想は耳に馴染みのある有名なリーマン予想である. これは数学だけではなく,他の分野に対する重要な応用があるため,大切な予想である. このため, \(\zeta(s)\) の非自明な零点が調べられ始め,様々な方法も用いられている. その中に, \(\zeta(s)\) の導関数の零点の分布による方法もある. 1935年にA. Speiser氏が,リーマン予想と \(\zeta(s)\) の一階導関数 \(\zeta'(s)\) の非自明な零点の分布との同値関係を示した. 1970年代に, \(\zeta(s)\) の導関数の零点に関する研究が盛んとなり, その後, \(\zeta(s)\) とその導関数の零点の互いの関係が数多く判明した. この講演で, \(\zeta(s)\) とその導関数の零点の分布及びそれらの関係を簡単に紹介する.
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