第04回
- 講演者 : 岸 康弘 氏 (愛知教育大学)
- 題目 : 連分数展開における各偶数周期の最小元が持つ性質
- 平成29年5月12日(金)16:30 – 17:30
本講演は, 学習院大学の河本史紀氏, 名城大学の冨田耕史氏及び講演者による 共著論文[Comm. Math. Univ. Sancti Pauli {\bf 64}(2015), no.~2, 131–155]の解説を主とする.
我々の目的はある2次無理数の連分数展開の周期を使って実2次体全体を分類し, 各周期ごとに実2次体の類数を調べることである. とくに各偶数周期の最小元 には特徴的な性質が見られ, その中の一つに「$2\leq\ell\leq 73478$ の範囲 にある偶数 $\ell$ に対し, 周期 $\ell$ の最小元 $d_{\ell}$ は類数1の実2次体 ${\mathbb Q}(\sqrt{d_{\ell}})$ を与える」という数値結果がある.
本講演では, 連分数の基本的な性質から始め, 各偶数周期の最小元が持つ「極小型」, 「ELE型」と呼ばれる性質についての解説を行う. また, 最近得られた関連す る結果を述べる.
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