第14回
- 講演者 : 奥田 隆幸 氏(広島大学)
- 題目:リーマン対称空間内の強い意味で離散的に交わる鏡映部分多様体の組の分類
- 日時:平成27年1月16日(金)16:30–17:30
コンパクト型エルミート対称空間内の離散的に交わる二つの実形は 対称三対 の言葉を用いて井川–田中–田崎によって最近分類が行われた. 交わりの離散 性は実形の合同類の(片方の)取り方に依存する繊細な概念であるこ とに注意 しておく. もう少し大雑把な目線で, コンパクト型リーマン対称空間 $G/K$ の全測地的部分 多様体の二つの合同類の組 $([L_1], [L_2])$ を考え, 任意 の$g \in G$ に対して $gL_1$ と $L_2$ が離散的に交わるとき $[L_1]$ と $[L_2]$ は強い意味で離散的に交わるということにする. コンパクト型エルミー ト対称空間の実形の二つの合同類についてはこのような強 い意味で離散的に 交わるようなものは存在しないが, 一般のコンパクト型リーマン対称空間中の 鏡映部分多様体の二つの合同類を考え ると, 強い意味で離散的に交わるもの がある. 本講演では佐武図形を用いてそれらを分類するアルゴリズムを紹介す る. 時間が許せば, 強い意味で離散的に交わる全測地的部分多様体の組の発見 が, 特定の非コンパクト擬リーマン対称空間上のある種の複雑性を持った不連 続群の 構成に応用されることについても述べたい.
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