• 講演者:長山 雅晴 氏(金沢大学・理工研究域数物科学系, JSTさきがけ研究員)
    • 題目:表皮細胞運動の数理モデル
    • 日時:平成22年1月15日(金)15:15〜16:15

正常な生体表皮のおいては角層直下で表皮細胞にカルシウムイオンの局在化がみらるが, 角層が破壊されるとカルシウムイオン局在が消失することが知られている. また,培養表皮細胞に対して空気刺激を与えることでカルシウム波の伝播が観測され, 角層破壊部分の通気性を遮断すると角層の回復が遅くなることも報告された. これらの現象から,角層の維持と破壊からの回復にはカルシウムイオンが重要で あることがわかった. そこで表皮細胞におけるカルシウムイオン伝播と局在化に対する数理モデルを構 築し, 表皮細胞における角層の維持と回復機構を数理的に理解することを試みる. まず,培養表皮細胞に対して機械的に刺激を与える実験を通して, 表皮細胞間のカルシウムイオン伝播現象モデルを構成する. 次に,細胞の分裂,運動,分化の数理モデルを構成する. 最後に,カルシウムイオン伝播モデルと表皮細胞運動の数理モデルを結合するこ とにより, 正常な角層直下でのカルシウムイオン局在や破壊による局在化の消失, 角層破壊からの回復現象の再現を目指し, 皮膚におけるカルシウムイオンの役割 を数理的に理解したい.

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  • 最終更新: 2017/11/17 12:19
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