近年，代数的数の「有限類似」なる概念がJ.~Rosenによって定義された． ここでいう有限類似とは，ほとんど全ての素数$p$において$\mathbb{Z}/p\mathbb{Z}$の元を 定めることで与えられるある種の数の体系に含まれるものを指しており， Kaneko-Zagierによる「多重ゼータ値の有限類似」と共通の枠組みに属する． 最近，J.~Rosen, 竹山美宏，田坂浩二各氏と講演者との共同研究の中で， この有限代数的数の具体的な記述と，代数体における素数の分解法則という 数論の古典的な問題との間に思わぬ関係のあることが明らかになった． この談話会では，有限代数的数の導入から始めて，素数の分解法則への応用までをお話ししたい．

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