位相群の表現論を概説し、それに基づいて位相群に対する双対定理を説明する。 双対定理(Duality Theorem)は、実数全体の作る加法群上の unitary character 関数の全体がまた実数全体の加法群と同型になる現象を基本として、1934年 L.S.Pontrjagin により、局所コンパクト可換群 に対し拡張された。 その結果は時を経ずして、東北大学の淡中忠郎教授により、 1939年非可換群を含むコンパクト群へと拡張された。 共に、群の “双 対(Dual)” として、元の群の“既約表現ユニタリ表現の全体”をとり、 その空間の上にテンソル積の演算構造をいれた空間を考え、最初の群 がその空間の上に定義される “複表現(birepresentation)” の全体の作る空間 と一致することを示している。 “双対”より初めの位相群を構築する、 これが双対定理である。
今回の話では、上記の2つの双対定理を、更に広範囲の位相群に拡張する 話題を取り上げる。
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