第03回

  • 講演者: 栗原 大武 氏 (北九州工業高等専門学校)
    • 題目:複素グラスマン空間上の大対蹠集合とデザイン
    • 日時:平成25年6月7日(金)16:30〜17:30

先ずデザイン理論について、球面の場合について知られていることを説明する。 高々 $t$ 次の任意の多項式の球面上での積分を球面上の有限個の点集合 $X$ での値の平 均で置き換えることが出来るときに $X$ は球面 $t$ デザインと呼ばれる。 また球面 $t$ デザインのサイズの自然な下界も知られている。 この下界に近いサイズを持つデザイ ンは見た目にも“きれいな”配置になっていることが多く、様々な分野で重要な配置と して現れる。 最も簡単な例を挙げると、球面上に2点を配置する際に“バランスが良い “と思えるのは互いが最も離れた場合($x$ とその対蹠点 $-x$)であり、実際デザイン 的に見てもこの配置は最もサイズの小さい1デザインとして特徴づけられている。 球面上の対蹠関係にある2点の配置は、コンパクト対称空間上では対蹠集合として一 般化される。 更に対蹠集合の中でも最も大きいサイズのものを大対蹠集合と呼ぶ。 本講演では、複素グラスマン空間上にデザイン理論を導入し、大対蹠集合は「とある デザインの中でも最もサイズの小さいもの」として特徴づけられるという結果を紹介 する。

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