粗Baum-Connes 予想は、適切な性質を持つ距離空間に対して、その粗幾何的性質だけで決まる二つのある種のホモロジー群が、 ある種の指数写像によって、同型となることを主張する。 これは、Baum-Connes 予想の非同変版の粗幾何版である。 この予想は、Novikov 予想など微分トポロジーと深い関係にあることから、興味を持たれている。
本講演では、以上のような背景の紹介の後、階数1 の非コンパクト型Lie 群の格子の粗Baum-Connes 予想が正しいこと、 および、二つの粗幾何的ホモロジー群がコロナと呼ばれる境界を使って計算されること(東北大学の深谷友宏氏との共同研究)を紹介する。
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