多重ゼータ値 \(\zeta(k_1,…,k_n)\)(\(k_1,…,k_n\) は正の整数, \(k_1>1\))またはそれらの有限和に対して、 その値が円周率の冪の有理数倍として求められることがある。 このような例としては、有名な \(\zeta(2k)\)のほか、\(\zeta(2,2,…,2)\) や \(\zeta(3,1,3,1,…,3,1)\) の値、 さらにこれらの一般化としてBowman-Bradleyの定理などが知られている。 また等号付き多重ゼータ値に関する類似として近藤–斎藤–田中の定理がある。 この講演ではこれらの定理や関連する予想について、最近得られた結果を交えて紹介したい。
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