Calabi-Yau多様体には複素体積形式の実部をとることにより自然なキャリブレーションが定義される. このキャリブレーションによりキャリブレートされる部分多様体は特殊Lagrange部分多様体と呼ばれ, ホモロジー類内での体積最小性という顕著な性質をもつ.
階数1のコンパクト型対称空間の余接束にはStenzelが構成した余等質性1の完備なRicci平坦Kahler計量が入る. このStenzel計量の対称性に着目し, 球面の余接束内の余等質性1のLagrange部分多様体を構成する. これらのLagrange部分多様体がさらに特殊Lagrange部分多様体になるための条件は常微分方程式によって記述できる. この常微分方程式の解を調べることにより, 特殊Lagrange部分多様体の特異点の様子および無限遠での漸近挙動を観察することができる. この研究は橋本要(大阪市立大学)との共同研究である.
[<6>]