\(p\) を素数, \(\mathbb{Z}_p\) を \(p\)進整数環とする.
代数体の \(\mathbb{Z}_p\)拡大に対して岩澤 \(\lambda\), \(\mu\)不変量が定まり, \(\lambda\), \(\mu\) がどのような値をとるか,
という問題は岩澤理論において基本的なものである. \(p\)を奇素数, \(k\)を虚二次体とする.
本講演で述べたい結果は,
\(s\) を \(k\) の \(p\) 上の素点の個数とする. \(k\)の円分 \(\mathbb{Z}_p\)拡大の \(\lambda\) が \(s\) であれば, 反円分 \(\mathbb{Z}_p\) と独立 で, \(p\)上の素点がすべて分岐する \(\mathbb{Z}_p\) 拡大に対して, \(\lambda\) は \(s\) 以下であり, \(\mu\)は \(0\).
\(p\) は \(k\)で分解するとし, 円分 \(\mathbb{Z}_p\) 拡大の \(\lambda\) は2とする. さらに, \(k\)のHilbert p類体は \(\mathbb{Z}_p 2\) 拡大Lに含まれ, \(p\) 上の素点の\(\mathrm{Gal}(L/k)\)内での分解群の指数は \(p\) とする. このとき任意 の \(\mathbb{Z}_p\) 拡大の \(\mu\) は$0$.
である. この結果は1991年にSandsによって得られていた結果の, 虚二次体 \(k\) の類数が \(p\) で割れる場合への類似となっている.
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