射影空間やアフィン空間上の有理点の高さは,その点の算術的な「大きさ,複 雑さ」を測る量と考えられ, 有理数係数の方程式を調べるときに役立つ. いま, アフィン空間の自己同型写像 $f$ で,ある良い性質をみたすものが与えられた としよう. $f$ の反復合成に関する性質は,例えば $f$ の係数が複素数のときは 複素力学系で深く調べられている. 談話会では,係数が有理数のときに,$f$ に 関してよく振る舞う高さ(標準的高さ)を構成することで, $f$ の算術的な性質 がいくつか導けることを話したい.
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