数論における重要な研究対象の一つにガロア表現(ここでは主に代 数体のガロア群の線形表現)がある。 そのガロア表現を分類するの に有効な理論として、B. Mazur によるガロア表現の変形理論がある。 1989年に発表されて以来発展を続け、それは数論の様々な問題を解決するための強力な道具となっており、 先のフェルマーの最終定理 の証明でも鍵となった。 本講演ではまず (無限次) ガロア理論の復習やガロア表現の簡単な例を挙げることから始めて、 Mazur のガロア 表現の変形理論を紹介する。 またその一つの応用例として、ある無限 次代数体上に不分岐非可解拡大を構成する方法について述べる。
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