多重ゼータ値とは、Riemann ゼータ関数の正整数点での特殊値を多変数化 (多重化) したもので、 素朴な無限級数で定義される実数である (1変数のときが Riemann ゼータの特殊値)。 多重ゼータ値たちの間には、有理数体上の様々な関係式 (線形関係や代数関係) が存在していて、 例えば、多重ゼータ値が有理数体上張る線形空間は環構造を備えている。 講演では、この環構造に関して、とくに環としての生成元の個数についての結果を述べる。 詳しくは、多重ゼータ値間に存在する2種類の積構造 (shuffle 積) を用いて、 生成元がゼータ値の変数の個数から定まる filter のどの階層にいくつあるかを評価する、という話を紹介したい。 [<6>]