Hilbert 空間上の非線型縮小半群と非線型極大単調作用素がHille-Yosida の定理と同様な関係で結びつくこ とはKomura (1967) により最初に指摘された.これを皮切りに,極大単調作用素,特に汎関数微分の一般 化である劣微分作用素を主要項とする非線型発展方程式理論の構築,あるいはこれを応用した非線型偏微 分方程式の解析が現在に至るまで広く行われている.本講演ではまず極大単調作用素,特に劣微分作用素 の基本的性質や具体例を紹介し,これらに支配される抽象発展方程式に対する解の右微分可能性の特徴付 けについて述べる.